更なる機能強化
FUTURE
本格的な少子高齢化社会を迎える日本において、訪日外国人のさらなる増加は、国家戦略の重要な柱と位置づけられています。その表玄関として、日本経済と地域振興に大きく貢献する使命を担う成田空港。現在、アジア各地の主要空港との激化する競争に打ち勝つため、空港機能の大規模な機能の強化に挑戦しています。
その取り組みのスケールは圧倒的です。新たに1,099haの用地を取得し、C滑走路の整備やB滑走路の延伸を実施する計画は、まるで新しい空港を一から建設するかのような壮大なプロジェクトです。
なぜ成田空港の更なる
機能強化が必要なのか
近年、アジアにおける空港間競争にさらされる中、成長する航空需要を取り込み、日本の経済や社会を成長させるとともに、周辺地域の活性化を図る必要がある。

出典:首都圏空港機能強化技術検討小委員会中間とりまとめ資料より

出典:首都圏空港機能強化技術検討小委員会中間とりまとめ資料より


出典:観光庁「明日の日本を支える観光ビジョン」概要
成田国際空港・更なる機能強化の全容
空港の機能強化は、経済発展が著しいアジア諸国の成長を取り込むことで、日本経済の成長を図る重要な国家プロジェクト。また、その推進にあたっては、空港周辺地域の生活環境保全や、地域振興策を進め地域との共生・共栄を果たすことが重要なミッションになっている。
計画図


滑走路整備事業
現在、成田国際空港の滑走路は、A滑走路(4,000m)とB滑走路(2,500m)の2本で運用している。本プロジェクトでは、B滑走路の南側に新たに3,500mの滑走路(C滑走路)を増設し、B滑走路を北側に1,000m延伸する計画だ。2029年3月までに完成させることを目標として、各種調査や準備工事に着手しているところである。

夜間飛行制限の変更
深夜早朝における航空需要に対応するため、地域のご理解のもと、A滑走路の夜間飛行制限変更を2019年冬ダイヤ(2019年10月末)から実施している。C滑走路の供用開始後には、滑走路別に異なる運用時間を採用する「スライド運用」を導入。飛行経路下における静穏時間を7時間確保した上で、空港全体の運用時間を5時00分〜0時30分に変更する予定。

環境対策・地域共生策の充実
新滑走路整備等に伴う航空機騒音の影響拡大に対し防音工事をはじめとした環境対策の充実を図るなど、周辺地域の生活環境を保全するための対策を強化。さらに、機能強化プロジェクトやその先を見据え、地域と空港が相互に連携し、将来にわたり一体的・持続的に成長していけるよう、各自治体が進めるインフラ整備への協力や地域の魅力・資源を活かした地域振興に積極的に取り組んでいる。
周辺地域への波及効果
発着回数50万回の達成により、今後、成田国際空港では、旅客数や貨物量の大幅な増加が見込まれるとともに、空港周辺地域に、産業振興やインフラ整備、生活環境の向上など、様々な効果をもたらすことが期待されている。

出典:成田空港の明日を、いっしょに
更なる機能強化を実現するために
C滑走路の整備、B滑走路の延伸などを実現するため、空港敷地を拡大する工事が動き始めている。

高速道路を切り回し、
B滑走路の延伸区間を造成する
1,000mの延伸が予定されているB滑走路は、その延伸予定のエリアを横切るように高速道路が存在する。そこで、滑走路を造成する前に、高速道路を地下化するためのボックスカルバートという構造物を整備する必要がある。
ボックスカルバートは現在の高速道路を通行止めにして整備する必要があるが、これは周辺地域への影響が大きく、長期間の通行止めは不可能であった。
そこで工事期間中の代替ルートを確保するため、約1kmに渡って既存の高速道路を切り回す、大工事を計画。これには同時に高速道路に架かる橋梁や側道を撤去・移設することでもあり、地元への説明や行政機関、関係各社との調整には事務系・技術系の社員が丁寧に対応してきた。
工事はまさに佳境を迎えており、これからいよいよボックスカルバートの整備に着手する。
多くの航空機を迎えるために、地道でも着実な一歩を進めるNAA。今後の工事にも注目だ。
主役は、未来を担う
若いチカラ
いつの時代も、新しい未来を切り拓くのは、希望に燃える若いチカラ。成田国際空港の機能強化プロジェクトも、
主役は空港の次代を担う若い人材。日本の空の玄関を世界に輝かせる熱い仕事が、あなたの挑戦を待っている。
新しい空港をつくるという大変だけど大きな意義のある仕事

技術系(土木)
機能強化整備部 土木・舗装グループ
UEDA KEITARO
2019年度入社
B滑走路延伸事業における設計・工事発注を担当しています。非常に大きい規模の事業になるため、住民の皆様や自治体、他事業者等の多くの関係者すべてと綿密な調整が必要となり、容易に進まないことも多々ありますが、事業をしっかりと管理するために、責任を持って日々取り組むことはとても充実感があります。大きな意義のあるこの仕事に、みなさんも一緒に取り組みませんか。
めざすのは、
地域に愛される空港づくり

事務系
地域共生部 機能強化・地域振興調整室
SHIMAUCHI TAKASHI
2013年度入社
住民説明会や市町議会などにおける機能強化事業の説明や、当事業を生かした周辺地域の振興・発展に資する施策の実施に取り組んでいます。空港の存在による地域への影響を低減する環境対策を講じつつ、地域と空港の一体的・持続的な発展を目指すこの仕事は、難しさもありながらやりがいを感じています。私たちと力を合わせて、「地域に愛される空港」を築き上げていきませんか。